東田 笙甫先生の日記

2017-09-03

9月は長月(ながつき)

9月9日「九」と言う数が重なる事から重陽(ちょうよう)と言います。
昔、中国では奇数を陽の数とし、陽の極みで有る9が重なる9月9日は大変めでたい日とされ菊の香りを移した菊酒を飲んだりして邪気を払い長命を願い
菊を用いて不老長寿を願うと言う風習が有りました。
菊の節句・菊の宴とも言われています。
収穫の時期にもあたる為、庶民の間では「栗の節句」として、お祝いをしていました。
今も、太宰府天満宮の秋思祭(しゅうしさい)など各地で菊を愛でる祭りや
行事が催されています。

また、華道の世界でも大切な日で、華道を嗜む者にとって、この日は菊のみを使った生花(せいか)を生けます。
お正月に若松だけで生けられた、生け花を見た事が有ると思いますが華道では
節目に、その季節の象徴とされる花1種のみで生花を生けますが、
その中でも重陽の節句に菊を生けるのは、ある意味、儀式の様なもので特別な日になります。1月の七草の節句から始まり9月の重陽の節句が最後の節句になります。

9月は、お彼岸の期間です。
春彼岸:毎年3月の春分の日をはさんで前後3日合計7日間
秋彼岸:毎年9月の秋分の日をはさんで前後3日合計7日間

「彼岸」はサンスクリット語の「波羅密多」(はらみた)から来たものと言われ煩悩と迷いの世界で「此岸」(しがん)にある者が「六波羅蜜」(ろくはらみつ)の修行する事で
「悟りの世界」彼岸の境地へ到達する事が出来るとされ
太陽が真東から上がって真西に沈み昼と夜の長さが同じになる春分の日と
秋分の日を挟んだ前後3日の計7日間を「彼岸」と呼び、この期間に仏様の供養を
する事で極楽浄土へ行く事が出来ると考えられていました。

それぞれの初日を「彼岸の入り」終日を「彼岸の明け」と言い春分の日・秋分の日を
「彼岸の中日」と言います。

【お供えとして】

「春」は牡丹の花にちなんで「牡丹餠」(ぼたもち)
「秋」は萩の花にちなんで「お萩」(おはぎ)と言います。
同じ和菓子ですが季節で呼び方が違います。

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