2018-07-16
誰でも一度は虫の声に耳を傾けた事がありますが、この虫のなき声を「声」として認識できるのは世界中で日本人とポリネシア人だけだという事実を知っていますか?
これは日本語が作る脳に関係しています。
左脳と右脳
こうした聴覚の違いを切り口に日本人の脳が他の民族の脳と違う点を生理学的に追及して来ました。その結果が驚くべき発見につながりました。人間の脳は右脳と左脳とに分かれ、それぞれ得意分野があり、右脳は音楽脳とも呼ばれ、音楽や機械音、雑音を処理する、左脳は言語脳と呼ばれ人間の話す声の理解など論理的な処理を受け持つ。これまでには日本人も西洋人も一緒でしたが、虫の声をどちらの脳で聴くかという点で違いが見つかりました。
西洋人は虫の音を機械音や雑音と同様に音楽脳で処理するのに対し、日本人は言語脳で受けとめる事が明らかになった。日本人は虫の音を「虫の声」として聞いている事になります。人は線路沿いに長年住んでいれば騒音に慣れて電車が通っても意識しなくなるのと同じ現象です。
この様な特徴は世界でも日本人とポリネシア人だけに見られ、中国人、韓国人も西洋型を示します。更に興味深い事は日本人でも外国語を母国語として育てられると西洋型となり、外国人でも日本語を母国語として育つと日本人型になってしまう。
人間の耳から脳への神経系の構造は左耳からはいった音の情報は右脳に行き、右耳から入ると左脳に行くという交叉状態になっている。
色々な音で右脳と左脳の違いを調べると音楽・機械音・雑音は右脳、言語音は左脳と言うのは日本人も西洋人も共通です。
違いが出るのは母音・泣き・笑い・嘆き、虫や動物の鳴き声・波・風・雨の音・小川のせせらぎ・邦楽器音などで、日本人は言語と同様の左脳で聴き、西洋人は楽器や雑音と同じく右脳で聴いている事が分かった。
又日本独自の「自然観」が脳の働きにも影響しています。
日本人の親が子供に犬「ワンワン」、猫「ニャーニャー」、小川は「サラサラ」、波は「ザブーン」、雨は「シトシト」、風は「ヒュウヒュウ」とまるで自然の物は全て「声」を持つかの様に擬声語、擬音語が高度に発達している点が日本語の特徴で幼児から虫・動物の鳴き声も自然音も全て言語の一部として言語脳で処理する様になりました。